宇治発電所導水路を追うウォークの二回目。
遂に完結。
この日の最大の成果は、宇治発電所導水路の竪坑3つを見つけたことと、そして大吉山に近い開口部を確認できたこと。

宇治発電所導水路に関してはパーフェクトなガイドやレポがネット上にはないようなので、今まで写した写真も合わせ「宇治発電所導水路ガイド・完全版」をまとめようと考えています。

本日のウオーキング歩数、約15,000歩。(万歩計が行方不明中)。

2014年4月26日(土)




先週実行した、宇治発電所導水路を追うウォークの1回目。
その時に痛めた膝がまだ癒えていません。
だからやむなく今日は自動車で移動。
曽束大橋右岸側へ到着。
車止めがあります。



車止めの内側へ。
2012年8月14日に京都府南部に大きな被害をもたらした際の大雨で、この奥の二の尾川に架かる久留美橋の周囲が、崩落していました。
それゆえか、移動式のフェンスが立っています。
しかし、「立ち入り禁止」などの表示はありません。



進んで行きます。
右側の道路は、二尾方面へ行く舗装路。



すぐに、二の尾川に到着。



久留美橋。
「くるみばし」と読むんでしょうか。
とっても可愛い名前です。



崩落個所。
好天であれば、さほどの危険はない模様。



崩落の状態。
写真では分かりにくいですが、コンクリート擁壁の土台部分の土砂が全て流された状態。
かろうじて擁壁が崩れずに立っている状態。
土台部分は宙に浮いています。



久留美橋を渡ってから、二の尾川の上流を見ました。
すると!
宇治発電所の竪坑をらしきものを発見。



興奮を抑えながら近づきます。
竪坑です。
間違いありません。



100年の時を経て今なお現役で活躍する宇治発電所関連施設の竪坑をついに目にすることができました。
間近で眺め、煉瓦の感触を手で確認。
この竪坑の名前が分からないので、私が勝手に「宇治発電所導水路・第一竪坑」(略して「第一竪坑」)と名付けます。(以下、この竪坑を「第一竪坑」と呼びます。)
導水路で一番最初にある竪坑であり、そして琵琶湖疏水の第一竪坑に形が似ているので、そう呼ぶことにしようっと。



第一竪坑上部。
第一琵琶湖疏水の第一竪坑はかなり大きいので近くに行っても上部を確認することはできませんが、宇治発電所導水路の第一竪坑は小型なので近くに行っても上部を見ることができます。



上部には金属製の蓋が設置され、鍵がかけられています。
そう、この下には60㎥/sもの水が流れているから、転落したらひとたまりもありません。
大きな第一竪坑が設置されている第一琵琶湖疎水の流量が8.35㎥/sであることを考えると、この宇治発電所導水路の60㎥/sという水量がいかに大きな流量であるかが分かります。
この竪坑は極めて危険なのです。



第一竪坑をあとにして、次の竪坑を探しに鳳凰湖右岸を更に下流側に向かって進みます。 
左後ろには、曽束大橋の姿が。



道自体はさほど歩きにくくありませんが、2年前の水害で崩落した個所が何ヵ所もあり気をつけなくてはなりません。
この部分は平坦なように写真には写っていますが、そうではありません。
道の半分ほどが鳳凰湖に崩れ込んでいる急傾斜。



ここも、道の半分ほどが鳳凰湖に崩れ込んでいる急傾斜。
しかも上の写真の場所と異なり崩落部分の下には足場がなく、ここでスリップしたら、即 ダム湖へ転落。
ダム湖に転落しても、絶対に誰も助けてくれません。
と言うか、そもそも誰もいません。
遠い対岸の左岸道路を時おり車やバイクが走りますが、急カーブが続く道を運転しているドライバーはのんびり対岸のこちら側を見る余裕などないはず。
だから絶対に転落しないように気を付けなくては。



う~ん、なるほど。
でもこの注意書きを誰が読むんでしょうか・・・・。
誰も読む人など通らないと思いますが。
それに、このダム湖に足をつけて水遊びするような人は、まずというか絶対にいないでしょうね。



1km近く歩いたでしょうか。
手すりのようなものと、その下にコンクリート製の構造物が見えてきました。



竪坑らしきものを発見!



近づきます。
間違いなく竪坑です。



管理用と思われるパイプ製の橋を渡ります。



間近へ。
この竪坑でも、煉瓦の感触を手で確かめます。
この竪坑も名前が不明。
導水路で二番目の竪坑であり、そして琵琶湖疏水の第二竪坑に形が似ているので、私が勝手に「宇治発電所導水路・第二竪坑」(略して「第二竪坑」)と名付けます。(以下、この竪坑を「第二竪坑」と呼びます。)



いいですねえ・・・・
実にいい!
100年の時を経ても凛々しく立つ第二竪坑の姿は最高。



第一竪坑と第二竪坑では、形に大きな違いがあります。
第一竪坑は割と幅広なのに対し、第二竪坑は縦長。
その特徴は、第一琵琶湖疏水の第一竪坑と第二竪坑でも同じ。
なぜ、当時の建設では第一竪坑と第二竪坑とで形が違うんだろう・・・・?



逆光で。
こうして逆光で写真を撮ると風情が出ますね。



今日は朝から病院に行っていたので、曽束大橋に着いたのは午前10時を回っていました。
そして、今の時刻はもう午前11時前。
今日は昼食までに全ての調査を終えたいので、先を急ぎます。
第二竪坑とお別れ。



第二竪坑付近にある施設。
導水路関連施設であることは確実ですが、何の施設なのかまでは分かりません。



施設上部にある金属製のスノコ。
中を見るとかなり深く、そして大量の水が。
スノコの上には乗らないでおきます。
転落することはまずないと思いますが、念のため。



曽束大橋方向へ戻ります。
倒木が道をふさいでいる個所があり、自転車ででもここを通ることはできません。
「自分の脚でのみ通行可」の道なのです。



車に戻り、二尾経由で池の尾方面へ。
途中で池の尾と志津川との分岐があり志津川方面へ下ると、喜撰山揚水発電所のダム湖に至ります。
宇治発電所導水路は、先ほどの第二竪坑を経由し 、そしてこの喜撰山揚水発電所の下を貫通しているのです。
今は電力需要が多い昼間なので夜間に貯められた水は既に発電に使われ、ダム湖には水がありません。



全く水がないダム湖。



寒谷川に架かる多田橋から見るダム湖。
名前通り、揚水発電所ができるまではここには寒谷川という小さな川が流れていました。



どんどん下って採石場跡前を通過。
ここはハヤブサの営巣地で、この日も多くの人がハヤブサの撮影に来ていました。
この採石場では、かつて喜撰山揚水発電所で使う石を採掘していたようです。



いったん志津川へ戻りそして炭山方面へ少し上がり、第四号隧道吐口と第五隧道呑口がある場所へやって来ました。



第四号隧道吐口方向を望む。
写真では分かりませんが、肉眼では水が激しく流れていることが視認できます。



第四号隧道吐口をズーム。



露出水路の一部に突起がありました。
水路を覆う網のようなものに、激しい流れが隧道に当たり発生した水しぶきが当たるからなのかもしれません。
常に網が水で濡れた状態だと、劣化が早いからなのでしょうか。



第五号隧道呑口。



導水路遠望。



付近には導水路関係と思われる施設がまだありそうなので、もう少し探索を続けます。
膝の痛みに耐えながら、坂道を上がります。



隧道を発見。
宇治発電所導水路の露出部分の下流側なので、導水路と何か関係ある隧道なのかもしれません。



隧道内部。



隧道から出た水は、下流へと落ちていきます。



更に奥へ。
足場が悪いので、膝をかばいながら慎重に進みます。
写真には写っていませんが、左側は急な崖。
スリップしたり、膝に激痛が走りバランスを崩したら崖下へ転落することは確実。
もちろん人っ子一人いない山の中、転落しても誰の救助も期待できません。
転落しないか、あるいは転落してしまったら自力で生還するか、または生還できないか。
たった三つの選択肢しかありません。



木々の間から下を見ます。
無理すれば下に降りられそうですが、膝のことを考えて断念。
それに、無理して下に降りても大した成果は期待できそうにない感じです。



戻ります。
足場が悪い場所を越えて戻ると、階段らしきものを発見。
上がっていけば、あるいは導水路関係の何かが見つかるかもしれません。
階段を上がっていくことに。



階段を上がり切ると、送電線鉄塔の下へ出ました。
階段は、送電線の管理用のものだったようです。
な~んだ。



送電線鉄塔下には、結構大きな小屋がありました。
小屋の中が気になりましたがスルーします。



宇治発電所導水路近くまで下りてきました。
もう少しだけ周囲を探索することに。
こんな施設が。
でも宇治発電所でなく天ヶ瀬発電所の施設のようです。



志津川の水量が増えた時には、ここから取水して天ケ瀬発電所で発電に使う模様。



取水設備を観察。






二年前の水害の爪痕が今も残る、志津川の隧道。



志津川をあとにして、明星町へ。
ここ明星町にも、竪坑があるはず。
住宅地の南側にこんな道があります。
頭上の低いところに延びる送電線が、ここが水力発電の地だということを物語っています。



探していた竪坑を発見!



宇治発電所導水路の「第三竪坑」です。
コンクリート製で、竪坑には見えないかもしれませんが・・・・。



近寄ってよくよく見ると・・・。
コンクリートの下に煉瓦が見えています。
あくまで想像ですが、付近の明星町の住宅地が造成される際、竪坑の地表から上の煉瓦部分が撤去され、このような形になったかも。
その主目的は、子どもが竪坑で遊んで転落する危険性を少なくするためと、そして住宅地の地下に大きな水路があることを分かりにくくするため?
全て想像なので、実際のところは分かりません。



第三竪坑から大吉山の水圧鉄管までは直線ではありません。
だから、第三竪坑から大吉山方面へ導水路は方向を変えます。
その先にもう一か所、導水路が地表に出ている場所があるはず。
付近を探すと、こんな施設を発見。
下から見ますが、中の様子がほとんど分かりません。



近くには、施設の管理用に使われていたと思われる古い木造の建物が。



非常に味がある建物です。
でも今はそんなことはいいとして。
施設が何であるか調べなくては・・・。
と言うか、すでにそのことは計画してあります。
ここから源氏物語ミュージアムまで行き、そしてこの施設の上を通っている道まで行く計画です。
この施設が宇治発電所の導水路かどうか、今の時点では不明。
でも間もなくそれは判明するはず。



と言うことで、源氏物語ミュージアム付近まで行き、そして車は途中にある墓地の駐車スペースに置いて、再び歩き始めます。
先ほどの施設の上までやって来ました。



施設へ下る道を発見。
下って行き、施設近くへ。
施設内には入れませんが、近くまで行くことは可能。
水が激しく流れていることを確認!
間違いありません。
ここは、宇治発電所導水路の地上露出部分の一番最後の場所。



石山制水門からほぼ一直線に延びてきた宇治発電所導水路。
水は先ほど訪問した第三竪坑で北に流れを変え、はるばる滋賀県から流れてきた末にここで大吉山に掘られた隧道に入るのです。
そして宇治発電所の水車を回して、宇治川まで駆け抜けていく。
頑張れ!水たち。
いよいよ君たちの最大の活躍場に来たぞ。



他の場所と同じように、やはり黒いネットが張ってあります。



第五号隧道吐口。



第六号隧道吸口。



発電所至近ゆえか、しっかりした設備があります。






時刻は、もう午後1時を過ぎました。
本日の全ての調査を終了したので撤退することに。
大吉山近くの、宇治発電所導水路の開口部を探そうと思えば、こんなものが目印になります。
この案内板のすぐ下が、開口部です。
それにしても・・・・・・・・・。
宇治発電所導水路のことを自力で一定解明することができ、大満足。



足元には石地蔵様の姿が。
今日の調査が無事に終わったので、石地蔵様に手を合わせて調査を終えます。
さて、帰宅して少し遅めの昼食を摂ろうっと。
朝から行った病院の帰り道で、夏野菜の苗を買っておきました。
ミニトマト5本、万願寺唐辛子5本、賀茂ナス2本、長茄子3本。
合計15本買い、自宅に置いてあります。
昼食後は、夏野菜の植え付けをしなくては。♪




宇治発電所導水路の全貌をついに知ることができました。
ネット上では、宇治発電所導水路のことが断片的にしか知ることができませんでした。
だから、今日の成果に大満足。

私は今まで琵琶湖疏水にとっても興味を持っていましたが、宇治発電所導水路に関しては「一度行ってみたいな。」と思いながらずっと行く機会がありませんでした。
「宇治発電所導水路には、さほど興味を持っていなかった。」と言った方がいいのかもしれません。
でも宇治発電所導水路は琵琶湖疏水よりはるかに多くの水を琵琶湖から流していたということを知り、大いに驚きました。

宇治発電所導水路の毎秒60トンという流量を聞いてもあまりピンときませんが、毛馬の水門から大阪市内での利用のため淀川から取水している水量が毎秒70トンという数字と比較すると、宇治発電所導水路を流れる水量の多さが理解できます。
宇治発電所導水路は琵琶湖疏水と目的が違うので、宇治発電所導水路と琵琶湖第一疎水との単純比較は不可能。
でも、琵琶湖疏水よりはるかに多くの水量が流れる導水路のことを、過去の私を含め多くの人が興味関心を持っていないことは、残念至極。
宇治発電所導水路って、本当はとってもすごいんです!



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